秀逸の作品
まさに名著だといえるだろう。 戦争の経緯なども平易で読みやすく、真実の歴史を知りたい人にはオススメです。 文章も大学教授なら小難しく書くが、同書は平易で中卒の私でも理解できる。
たしかに面白いが・・・
ダブル受賞というのは少々甘すぎ。 本書の狙いは、英国の衰亡の原因を、植民地を保持する経済的負担のみに求めるのは間違いであって、英国の政治を支えてきた「貴族階級」の消滅だということを示すところにある。なので、著者も述べているように、人物史を中心に描いているのが本書の特徴だ。 トルストイや内田樹も述べているように歴史は「複雑系」である。ある史実の原因が追及されるのは、端的にその原因がわからないからだ。なので、アナール一派のように経済的な原因を重視したり、リアリスト政治学者のように軍事力の衰退を原因にしたり、みな自分の得意な領域から述べたがるものなのだ。それはよいとして、では貴族階級を保存して、ノーブレス・オブリッジを持った人物を養成すればよかった、というのが著者の結論なのだろうか? 著者の保守的なスタンスからは、それをわが国に当てはめたいという口吻がみえてこなくもない。 しかし、そうではなく、むしろアリストクラティックな政治体制を、アメリカのような貴族制を前提としない政治システムに改組することを怠ったというのが敗因とみるべきだろう。大統領や首相が誰であるかによって大幅に変わってしまうような、第一人者の個性に多くを依存するような政治システムに原因が帰せられるべきなのである。
人物史観の『プロジェクトX』バージョン
要旨は,イギリスの衰退は,無形の人的精神の為せるワザであり,大英帝国とは「威信のシステム」だったというもの(11頁)。人的精神と僕がいうのは,僕がよく読んでた経済史的なアプローチとは立場が違うということ。という意味では,ギルピン『_War and Change in world Politics_』(同頁)やら,中西は言及していないパレート『エリートの周遊』的なアプローチ。大雑把に人物アプローチといっていい。ウィーナー『英国産業精神の衰退』には批判的だろうけれども(144頁),分類されれば同属。ただし,イギリス衰亡史を扱った著作は多いが,文明史・精神史的なアプローチからの著作は依然として少ないとかいいながら(7頁),じゃあどこがどう違うのか?という疑問は,読者に押し付けて自分の独創性を言い立てているような読み方をしてしまうのは,僕がバカだからかな? どこがどう違うのかを具体的に事実列挙して欲しかったです。 衰亡史を語るためには衰亡する以前の興隆史を描かねばならず,その意味で,イギリスという国家の興亡史であることは避けられない。事実,本書のつくりもそうなっている。「京都大学」「文明」「衰亡」というキーワードが出てきて,なぜ高坂正堯(たとえば『古典外交の成熟と崩壊』)の名前が出てはこないのか?っちゅう疑問を,東大卒でも京大卒でもない阿呆は感じるわけです。 チャーチルもろくすっぽ知らない素人にとって,ウィリアム・テンプルとかチャールズ・ジョージ・ゴードンとか,絶対に高校の歴史教科書には出てこない人物に光を当てて歴史を描き出しているのは面食らわされるけども,さすが専門家。人物史観の『プロジェクトX』バージョンだ。 文庫本にしたのは大正解。興味あるものは読まれよ
上質の歴史書
大英帝国の興隆と衰亡を、 その支配者たる英国貴族の政治家を中心に据えて述べた歴史書です。 大国を担う政治家エリートとはどうあるべきか、 今の日本も含めて考えさせられます。 歴史事実に対して若干説明不足の部分があり、 素人にとっては分かりにくいのは否めませんが ある程度の世界史の知識があれば 何とかクリアできるでしょう。 ポール・ケネディの「大国の興亡」でも読んでいるのであれば 問題なし。
PHP研究所
国まさに滅びんとす―英国史にみる日本の未来 (文春文庫) 日本の「敵」 (文春文庫) なぜ国家は衰亡するのか (PHP新書) 日米関係史 (有斐閣ブックス) 日本の「死」 (文春文庫)
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